田植踊

  • 田植踊は、米作りの豊作を自然界に祈願するために、農作業が開始されない年の始めの民俗行事として演じられます。


(口内田植踊)

予祝芸能と呼ばれるのはそのためで、穀倉地帯の広がる県央地方から県南地方にかけて主に伝承され、その数は県全体の田植踊の八割にも達しています。

この田植踊の場合も地域によって芸態が著しく異なって伝承しています。北上平野一帯には、祈りが主目的で、屋外で踊る「庭田植」が普及しています。一方、屋内で踊る「座敷田植」は盛岡市周辺に広まり、こちらは農民の娯楽芸能に転化しています。また、県北地方には、「えんぶり」と呼ばれる芸能があり、田植の際に田んぼの土を平らにする農具の名称が芸能の名称になっています。(出典:いわて民俗芸能入門)