みちのく民俗村 民俗資料館

みちのく民俗村は、里山に包まれた自然の中に、古い民家や歴史的建造物が復元・移築され合計29棟点在する東北有数の野外博物館です。国指定重要文化財の旧菅野家住宅や国指定登録文化財の民俗資料館、国指定史跡の南部領伊達領境塚があり、道を進むたびに歴史を感じることができる展示場です。

民俗資料館(国指定登録文化財)

現在の民俗資料館は、昭和2年に建造された旧黒沢尻高等女学校の校舎です。大正建築の名残をとどめる建造物として1999年に国指定登録文化財になりました。
北上周辺に生きた人々の暮らしや仕事を農作業道具、手仕事、生活用品、信仰関係などの民俗資料で知ることができます。

●「外のしごと」「内のしごと」

1階では、当時の農具や日用品を展示しております。
現在ではどこの農家にもある鍬(くわ)や鋤(すき)などの農具も、古くは貴重品で鍬を持たない農家もありました。 そのような農家は「貸鍬」を利用したり、「踏鋤(ふみすき)」と呼ばれる脚の力で耕す用具を利用していました。鍬や鋤には地域ごとに様々な形状のものが存在し、岩手県では独自に発展した「南部型鍬」や「南部型踏鋤」が使われていました。

 

また、岩手県の農業の発達と馬は深い関わりがあり、南部の農家では農耕馬として人々の手助けをしていた馬を家族のように大切にしておりました。そのことが『南部曲がり屋』と呼ばれる人と馬が同じ屋根の下で暮らす造りの家に表れております。民俗村内の曲がり屋である「旧北川家」と「旧星川家」も併せてご覧ください。

 

 

履物や衣類などの身の回りの物は、ほとんどそれぞれの家で作られました。そうした日用品をつくるための道具も展示され、たくさんの道具から同じ用途の道具でも時代とともに進化していく様子を垣間見ることができます。

●「家のくらし、商家と職人のくらし」

2階では、家のくらしに使われた道具や当時職人によって作られた日用品、それらをつくるための道具、商家の店先を再現したコーナーなどがあります。
また、蹄鉄を作る作業場、酒造りのための巨大な釜や樽、当時の人々を楽しませた人形芝居の道具など多岐にわたる用具の他、旧黒沢尻高等女学校の校章や大正8年創立当初からの制服なども展示されております。

   

 

北上市消防記念館

 

民俗資料館に隣接する北上市消防資料館では、全国的にも数少ない資料館で、北上市内の消防団で使っていた明治から昭和にかけての消防器具のほか消防自動車等、消防に関わる資料を展示しております。
展示している消防ポンプ自動車は、昭和25年に黒沢尻町が購入した国産車で、当時としては最新鋭を誇るものでした。原理は現在のポンプと同じです。

  

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